産後は骨盤を矯正した方が良いとよく言われますが、そもそも産後は骨盤をはじめ身体がどうなってるのか?をまとめてみました。
①産後は骨盤が開く
これは最もよく言われる事です。
骨盤の関節は腰の下方の仙腸関節の状態です。
一般的には前側、お腹側で骨盤が開くと言いますが、重要なのは後ろ側の仙腸関節の歪み、不安定さです。
妊娠中は骨盤を開くためにリラキシンというホルモンが出て関節を柔らかくして骨盤を開きます。
これが産後そのままにしておくと関節が緩く歪みやすくなる原因です。
②産後は骨盤以外の脳、脊髄、内臓が下垂する。
産後は骨盤の歪みだけでなく中枢神経の脳、脊髄が下方に歪みます。
また内臓も全体に下方に歪みます。
まず身体の土台である骨盤の歪みを治して、さらに内臓を支えている周りの膜組織の固さ背骨の歪み。
頭蓋骨と骨盤の真ん中の仙骨の一次呼吸という動きを正常にしないといけません。
これらは自律神経系に影響が大きく産後うつ、イライラ、だるさ、無気力、代謝の低下による太りやすさ、産前のジーパンが入らないなどにつながります。
産後のメンタル面の不調をご自分で気づいてない方も中にはいます。
ご主人やご家族からこそっと伝えられる事もあります。
よくあるのが出産後育児で忙しい時の事を数年経って振り返ってみるとすごく気が立ってイライラしながら神経質になってたなぁと振り返る方もいます。
③恥骨の歪み、痛み、尿漏れが起きやすい。
これは問診の時、伝えにくい方もいますが実はけっこう多いです。
何回か来院されて信頼関係ができてから伝えてくる方もいます。
恥骨という骨は単独で存在するのではなく恥骨、坐骨、腸骨の3部位をまとめて寛骨と言います。
なので骨盤自体を矯正すれば恥骨も繋がってるので矯正されます。
恥骨を直接押して矯正する事はほとんどありません。恥骨の上方の膀胱、子宮の膜組織が固い場合直接緩める事はあります。つまり下腹部です。
なかには骨盤の底の部分の筋力が低下してる事が原因の方もいますので対処法をお伝えしてます。
④産後の手の腱鞘炎、膝の痛みが起こりやすい。
リラキシンというホルモンが妊娠中に腱や靭帯を柔らかくします。
出産後、逆に固くしないといけないで、その時に腱を包んでいる組織である腱鞘や骨を繋ぎ合わせてる靭帯を固めてしまって痛みが出る現象です。
さらに産後は育児で立ったり座ったり、手を使う頻度が非常に多いのも原因になります。
必ずではないですが経験上、腱鞘炎は多くの方が出産後5〜6ヶ月経過後くらいから落ち着いてくる事が多いと思います。
腕や首肩、太もも、股関節などが固まってる場合は緩めないと治らないので治療していきます。
⑤産後は猫背、反り腰、ぽっこりお腹など姿勢が悪くなる。
妊娠中はお腹に赤ちゃんがいるので前側重心になります。
そうすると反り腰、脚の外側重心になりやすいです。
猫背の原因はいくつかありますが肩が前側に入ってるパターン。反り腰による骨盤の前倒れからきてるパターン。首の骨の歪み、後頭部の筋肉の過緊張パターンなどです。
脚の外側重心は実は姿勢と関係が深くO脚の原因にもつながるので矯正が必要です。
産後に限らずヒールなどかかとの高さが3センチ以上の靴は上記の姿勢の歪みをすべて起こします。
ごく稀に産後に3センチ以上のヒールを履いてる人がいますがどんなに骨盤や背骨、姿勢を矯正してもそれでは治りません。
最近はヒールの影響で20代でも変形性膝関節症を起こしてる人もいますのでパンプスを含めて3センチ以上のヒールは絶対にやめた方が良いです。
他にも産後の身体の変化やお悩みは沢山ありますがよくあるものをまとめてみました。